オクトパストラベラーⅡをクリアしました

これはネタバレ防止サムネ用の画像

先日、「RPGやりたい」とぼやいたらフォロワーに勧められたオクトパストラベラーⅡをクリアしたので、ゲーム的な話もストーリー的な話も含めて感想を垂れ流そうと思う。ちなみにPS5版をプレイ。
当然ながらネタバレを含むので、最低でもエンドロール後、さらには例のアイツを撃破した後に読むことをオススメする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ゲーム的な話

前作にあたるオクトパストラベラーは未プレイ。なので、本シリーズのメインシステムであるブレイクやブーストには初めて触れる。敵の弱点を突く事が重要になるシステムは『ペルソナ』シリーズっぽいなーと初見は感じたが、ブーストと合わせて色々と考える事が多く奥深いシステムだった。

(覚えている限りの)ゲームオーバー箇所はピルロ戦、バンデラム戦(2回)、メイルストロム戦、例のアイツ(たくさん)辺り。サースティ戦や悲月のラージャッカル戦などかなり危ない戦闘はそこそこあった。

まず主人公選びにかなり悩んだ。見た目やジョブの好みからヒカリ、オズバルド、テメノス辺りまで絞ってまた悩んだ結果、「一番主人公っぽいから」という理由でヒカリを選択。

クリア時のプレイ時間。サブクエはぼちぼち消化くらい。

 

 

以下は各キャラクターについて加入順で思い出語り。キャラ名の横に括弧書きでバトルジョブの変遷を書く。なお、例のアイツ戦については別項で書く。

 

・ヒカリ(発明家→ウェポンマスター)

ずっとパーティメンバーに居た関係で一人だけレベルが高い。あらゆる戦闘において彼を軸にして立ち回り、中盤以降は雑魚戦は変形カタパルトで一掃し、ボス戦ではブレイクしたらバフデバフ掛けてとりあえず雷剣将ブランドの剛剣やリサイクルハンマーを振り回していた。エクストラストーリー開始前にウェポンマスターの武器を収集し終えたので晴れてウェポンマスターになり、獅子狩り振り回しに転向。試合で覚える技は色んな武器種の全体技や多段技を揃える形に。なるべく色んな敵に対応したかったし。今までで与えたダメージの半分くらいはヒカリかもしれないというくらいにはアタッカーとして使い倒し、非常に頼れる存在だった。

 

・キャスティ(商人)

序盤はあまり調合を使わず、毒撃断や斧一閃を中心に使っていたが、増強剤と拡散剤を安定供給できるようになってからは海苔食ってノリノリ状態になり、壊滅しそうになったらブーストかけてブドウの葉+増強剤+拡散剤で全快、という流れが本当に強かった。底力が本人の固有行動で解決しているため、バトルジョブは悩んだ結果、他に付けるの居ないしな…で商人になった。ちなみに、ファーザー戦とオブシディアン戦で戦闘中の台詞直後に毒撃断で付与した毒でトドメという流れをやっている。ヒカリがHPをとんでもない勢いで削ったのはあるにはあるが…。

 

・アグネア(薬師→発明家)

獅子の舞によるバフでヒカリのお供になっていた。底力が本当に強く、薬師時代は全体化治療術や健全化、発明家時代は全体化活性アーカーコイルやスプリングブーツなどを振り回していた。ヒカリの発明家がスライドしてからは変形カタパルトやリサイクルハンマーの役割もスライドしてきた。底力の汎用性が非常に高く、バトルジョブで無限に悩み倒した。派手な動きはしないものの、パーティを裏から支えてくれる良いサポーターだった。摩訶不思議の踊りは未使用。トロップホップで最強青年を誘惑したのだが、キャスティのウィンターブルーム編で一度駆り出してから「これヤバイな…」となり、結局ゲームクリアまで加勢する事はなかった。ラストエリクサー症候群かもしれない。

・パルテティオ(盗賊)

傭兵呼びクソ強くないですか?

ソローネと同様にデバッファーとしての使用がメインになった。底力によるBP回復で長ターンデバフを与えたり、シールドを一気に削ったりと結構幅広い活躍を見せていた。あとは獲得リーフ増加や幸運の矢によるJP獲得みたいな戦闘外の部分でも良い働きをしていた。傭兵呼びやスケジュール交渉がかなり強いと感じつつも、私がお金の消費を嫌がっていたので本当にどうしようもない時や、やる事無い時に安いのを呼んだりしていたくらいに留まった。ラスボス戦は古兵を一回呼んだ。文字通り金に糸目を付けなければかなり強いので、その辺はプレイスタイルに依るんだろうと感じた。

 

・オーシュット(剣士)

ヒカリに次ぐアタッカーとして運用していた。ヒカリよろしく雷剣将ブランドの剛剣を振り回すのもあるが、ストーリー中盤~終盤からけしかけるの魔物が洗練されていき、ヒカリとは別の強さを発揮。特にレインボーショット+みんなでけしかける習得以降はシールド削り力がずば抜けて高く、弓弱点と分かると非常に嬉しくなっていた。多分一番使用頻度が高かった魔物は大雪きのこ。弱点を2つ割れるのが初手として非常に便利だった。底力も便利なものが多く、特に獣の咆哮を多様していた。何気に装備が呪詛返しの首輪前提のもので埋められているが、オーシュットに着けさせた理由は割と適当。

これはどうでもいい情報だが、獣王無尽の語感が凄まじく好き。

 

・オズバルド(神官→魔導士)

神官時代はヒーラー兼アタッカーとして、魔導士時代は純アタッカーとして運用した。大魔法化・特大魔法化や底力の効果がかかるという理由で神官にしていたのだが、テメノスのバトルジョブが学者だったので役割被り気味だなーとか考えていたら魔導士が解放されたので魔導士にジョブチェンジ。魔力の代償を付けた結果、究極魔法の消費SPが150になってて爆笑した。キャラクターもそうだが、魔法の詠唱や碩学アレファンの叡智が滅茶苦茶カッコ良いのでバトルに出すのが楽しかった。雑魚戦は予習がもう本当に便利で終始五人目に連れ歩きたくなっていた。

 

・ソローネ(狩人)

基本はフクロウやコウモリ、闇のとばりを使ったデバッファーとして扱い、敵のブレイクなどに応じてライフスティーダガーや盗公子エベルの鉤爪でついでに火力を出す、という動きが主になっていた。デバフによる支援は勿論ながら、闇のとばりの物理一回無効が結構効いた。特にテラ戦では終盤までダメージを全く受けない状態になっていた。ワロタ。闇夜の加護はかなり便利だなーと思いながら使っていた。特に雑魚戦においては闇夜の加護を貰ったヒカリが変形カタパルトで一掃する流れを無限にやっていた。

盗公子エベルの鉤爪、私のゲーム的勘が「これはヤバそう」と告げていたが、最後まで本格的に使用する事は無かった。デバッファーとして固めてたし。

 

・テメノス(学者)

私はパーティに安定したヒーラーが一人居ないと不安で死にそうになるタイプなのだが、テメノスは正しく「安定したヒーラー」としての地位を最初から最後まで獲得していた。増強剤と拡散剤を手に入れるまでは本当に頼る場面が多かった。とにかく回復切らしたくなくて装備品でSP盛ったし。ソローネよろしく月光の審判は頼りになった。ソローネと一緒に編成すると大体ヒカリの開幕変形カタパルトで弱点関係無しに雑魚敵が吹き飛んでいった。

底力属性の乱れヤバ過ぎるし、杖持ってるから属性攻撃に寄せるか…という考えで学者にした。ていうか学者部分ほとんど属性の乱れしか使っていなかった気がする。

 

・その他いろいろ

このゲーム、案外難易度は高めだと感じた。とはいえ結構雑にやってもストーリー中で詰む事はあまり無かった。全滅箇所はあったが、パーティを組み替えたり対策を軽く考えるくらいで解決。王道RPGにはあまり慣れていないがゲーム慣れはしているので、難易度云々は一概には言えないが。

各ジョブやキャラクターにしても、使いづらさ辺りの差はあるが、それぞれにしっかりとした強みがあるので良かった。こういうゲーム、どうしようもないタイプが居ると悲しくなってしまうので…。

何やかんやでヒリつきが好きなので、ストーリー中で一番好きな戦闘は悲月のラージャッカル戦。演出面も好き。別部分でしんどかったが。

 

・ストーリーの話

流れとしては各キャラの話→エクストラストーリー→総括の順で書いていく。前は加入順で書いたが、次はその逆順で書くことにする。主人公にしたキャラは最後に置きたいし。

 

・テメノス

彼、失ったものが多過ぎませんか?ソローネ編やオズバルド編は動機からもうとんでもなく暗いものだったが、テメノスも負けず劣らずの悲惨具合だと思う。本人の立ち振る舞いもあってそれなりに軽減されてはいるが、ロイ、教皇、クリック君を失っているの、あまりにも酷い仕打ち。特にクリック君はNPC内でもかなり気に入っているキャラクターだったので、死んだ時は本当に悲しかった。しかし、飄々とした態度を見せる事が多い彼の心に宿っているのは熱いものであり、カルディナ戦はかなり燃える展開だった。こうなるの、一章から想像できますか?

もともと飄々としたキャラクターは好きなタイプだったが、その奥底にあるものを見せられてかなり好きになった。主人公たちは皆好きだが、テメノスは特に好きな部類。異端審問官らしくパーティーチャットやクロスストーリーでは何かと先導役・相談役になる事が多く、頼れるお兄さんみたいな印象が強かった。「回復役」はテメノスらしさがよく出ていると思う。

ロイやクリックのように「真実を暴く」という行為には何かしらの負債が付き纏う事が多く、それで失ったものは多いけれども、彼は強い人なので引き摺り過ぎる事もなく、しかし忘れる事もなく、臆せず真実を暴いて迷える子羊を明日へ導いていくのではないでしょうか。

 

・ソローネ

ソローネ編を終えた時、マジで?という感想だった。とんでもない脳破壊ストーリーだったし、何よりこういう終わり方なのか…と思った。まあ実際、彼女の話は我々が見聞きしないだけで続いていくので、彼女が自由になる話の終わり方はああなんだろうなと思う。

あと台詞がことごとくカッコいいもので構成されていた。毒杯ロシアンルーレットとかカッコよさの塊。

ファーザーの過去が全て語られた時、絶句としか言いようの無い状態だった。ああ、父親を殺す話かぁと思っていたらNTRだった。嘘だろ。母ノ編3章後に父ノ編3章をやったので、殺す前の「お父さんって呼んでいい?」のくだりは心がグシャグシャになった。ミラにとっての母を殺した後に自分にとっての父を殺すの、本当に地獄。

それまでの道程はもう暗すぎてしょうがなかったので、諸悪の根源と言って差し支えないクロード戦は快く殴れた。ソローネのブースト4専用台詞が悲痛過ぎる事以外は。

クロスストーリーやパーティーチャットでは本編ではあまり見られない女の子っぽい一面とか、年相応な部分が見られて良かった。アグネアがラブレター貰った時に結構ノリノリな所とか、オズバルドのファッションコーディネートの話とかが好き。

あんな終わり方をしたソローネ編だが、彼女には心強い仲間たちも居るので、その明日は明るいものであると信じています。というかそうあってくれないといよいよもって私の情緒が終わる。

 

・オズバルド

エレナが生きていて良かった、の一言に尽きる。そもそもの動機の時点でソローネ編とツートップで重いストーリーだと思っているが、エレナが健やかに生きているという一点で救いがあった。ありがとう。序盤はとにかく復讐譚の進み方をするので顛末があまりにも不安だったが、エレナの生存が判明してからはエレナを守る事が動機になって一安心した。それはそれとして記憶改ざんでまた脳破壊されてる…とはなったが。

あとは…ハーヴェイがとにかくオズバルド大好き過ぎる。作中で語られている通り、彼の原動力がほぼオズバルドなので本当に恐ろしい。最終章のハーヴェイ、人生の絶頂だったんだろうなという感じ。エレナの記憶改ざんも、ハーヴェイの思う根源の習得をあのタイミングで実行したも、全部オズバルドに見せつけたくてしょうがないからやっただろ。

ハーヴェイの暗黒にオズバルドの「エレナを守りたい」という気持ちから至った根源で対抗するの本当にカッコいい。究極魔法習得はストーリークリアEXアビリティの中でも屈指のアツさを誇っていると思う。

無口で冷徹な学者…という訳でもなく、パーティーチャットでは気遣いを見せたり冗談に乗ったりする部分を見せる。ただ単に無口で理屈っぽいだけで、かなり人間味のある人物で好き。

一章時点で復讐を果たした後の明日には何も無かったけれども、エレナが生きていたからエレナの居る明日を得られたのは本当に良かったと思う。エレナを生かした事は作中におけるハーヴェイの数少ないファインプレーの一つ。

 

・オーシュット

前の文で多少は言及しているが、相棒に選んだのはマヒナだった。理由としてはフクロウ好きだしな…くらいの感覚。適当という訳ではなく、選ぶのに迷ってそのくらいしか選択するような差が無かったという話である。

彼女の性格と旅の目的上、基本的には明るいストーリーラインなので安心してプレイできた。とはいえ影が全く無い訳ではなく、狩られてしまったカタルアクタや、グラチェスの卵が潰されたと知った時のオーシュットの反応だったりシリアスな部分はしっかりとシリアスしており、良い緩急で好きだった。それはそれとして、疲れたし寝るかくらいで済んでいたテラは何だったのか。カタルアクタは支援効果だし、耐久や寿命が一番あるのはテラだったりするんだろうか。

そんなオーシュット編は最終章で一気に温度感が変わるというか、情緒を滅多打ちにされるシナリオだった。2周目をやるならまあラージャッカルを選びたいが、果たして選ぶとなった時に耐えられるのだろうか。各キャラの最終章にはフィールドコマンドを使用する演出があるが、その中でもかなり好きな部類。一番最初にやった事を最後にもう一度やるの、本当に最高。

終戦のこちらの技をコピーしてくる演出はかなり好き。個人的な好みでもあるので。

彼女の純朴な可愛さはパーティーチャットやクロスストーリーでも遺憾なく発揮されている。「影のサポート」や「恋の話」辺りが好き。

彼女は選ばなかった相棒も含めたトト・ハハの皆や、これまで狩ってきた魔物たちや、旅の仲間たちといった色んなものを背負いながら明日を過ごしていくのだろうと思いを馳せている。

 

・パルテティオ

この男、器がデカ過ぎる…。

キャラクター達が虐げられたり、ちょっと嫌なヤツが出たりとかはあるのだが、パルテティオ本人があまりにも強い光属性なので何も問題にならないし、ウルトラ人誑しなので悪役でさえも懐柔して雇う。人脈を築く事にかけては作中一。

800億リーフというとんでもない値段を吹っ掛けられ、さてどうするのかと思っていたらアルロンドとかいうエグいレベルの富豪が一括で出してくれたのは流石に笑ったし、現金で持ってきた時はこの富豪無敵過ぎるだろと思った。

とにもかくにも気も良い兄ちゃんを地で行くパルテティオが本気で夢を叶える話なので、清涼剤になった。個人的に面白いと思っている部分として「価値あるものは分け合うべき」というパルテティオの思想はそこだけ切り取れば社会主義的だが、実際は「皆で得して裕福になろう」という生活レベルの底上げなので本人はかなり資本主義なところ。真っ当な手段で稼いでいる限りは富める事について一切咎めないし。とにかく信念や夢を貫く男なのでマジでカッコいい。

パーティーチャットでは案外真面目な話が多いように感じた。本編中でも陽気な言動が多いので、そことの兼ね合いだろうか。「いつか紙芝居に」のパルテティオは本当に活き活きとしてて好き。

人々に希望ある明日を分け合う、というストーリーラインはかなり心地良かった。影が全く差していないのでソローネ編やオズバルド編に挟んで進行する事も多々あった。

 

・アグネア

パルテティオ編と同じく基本的に明るい話で、こちらも良い清涼剤となった。

旅をして色んな人たちと出会い、経験を重ねて大成する、という話はすこぶる好みなので終始ニコニコしていたし、メリーヒルズで全員集合した時はもう最高の気分だった。一番好きなのは2章。ギルのキャラクター性や、一度夢破れた人が後押ししてくれる展開が好き。

ドルシネアも2章終わりで何やら不穏な空気を見せていたが、実際はドルシネアランドという何かこう…もっと何かあるだろというもので、姑息な手も何も使わず踊りによる真っ向勝負なのが気持ち良かった。「きぼうのうた」、やっぱり感慨深いので使いたくなる。使用頻度の高い技ではないが…。

クロスストーリーやパーティーチャットでは年相応の女の子らしさが推されてて良いですね。8人の中で一番出自が普通寄りなので、素直な言動が多くて可愛らしかった。キャスティの言う通り彼女はかなりモテそうなものだが、本人が鈍感なのか、クロップデールの住人の距離感が近いのでそういう事にならないのか…。「都会への憧れ」で皆に愛されているんだなぁという事がより分かるので良い。

やっぱりこう、明るいキャラクターがその明るさを周りに振り撒いてくれる話は見てて心地良いので好き。皆を幸せにする彼女は、色んな人たちの光に、あるいは明日になってくれるのだろう。

 

・キャスティ

数々の困難を屈強メンタルと腕っぷしで解決する話だった。

記憶喪失だったり、何故か自分たちの悪い噂が流れていたり、かつての仲間が闇堕ちしていたりと結構不安になる要素は多かったが、彼女のメンタルが強いので気にならなかった。メンタルだけでなく何故か腕っぷしも強いので安心感が最強。母は強し、という事だろうか。「戦えもしない薬師が」という台詞にまあ、普通そうだよな…とか、「フィールドワークは基本」という台詞に多分何か違う意味含んでるな…とか、そういう事を考えていた。

パーティチャットやクロスストーリーでは、「おふくろ」的な部分もそうだが、酔っ払って服を脱ぎだしたり、結構恋バナに食いつくといった本編中ではあまり見られない部分も見られる。「蚊」、パーティーチャットでもかなり好きな部類。そういうこともあって、個人的にキャスティはカッコいいし可愛いと思っている。

キャスティの信条である「一人でも多くに、救いの手を」は作中でもかなり念押しされていて、本人もそれに則って行動する…のだが、最終章のトルーソー戦後の「一人でも多くを救うために…必要な選択だった」という台詞でああ、だから「一人でも多く」なんだなと腑に落ちた。救えない人が居る事に絶望したトルーソーと、救えない人が居る事を知ってなお、明日を望む人々のために救いの手を差し伸べ続けるキャスティの対比が良い。

 

・ヒカリ

お前もう主人公だろ。

これは贔屓目とかではなく、ラスボスが兄であるとか、母が庶民の王子であるとか、祖国を取り戻して血を流さない世にするために戦うとか、呪われた血を最終決戦で、友を想って乗り越える展開とか、全てが主人公あるあるだからである。さらには信念が一切のブレを見せない所もポイントが高い。年齢の割にめちゃめちゃ成熟してるな…と思う。

正直リツは3章終わりまでは味方になるのだろうと思っていたがそんな事は無く、戦うしかないとなった時は悲しかった。し、一章からしっかり強くなってて良かった。

“ヒカリ”との試合コマンドはフィールドコマンドを使う演出の中で一番好き。やはりというか何と言うか、もう一人の自分とのタイマンは燃えるものである。

パーティーチャットやクロスストーリーでは常識人ツッコミの立ち回りが多い。かと思っていると、蒸気機関をベンケイ換算したり、ク国の誇りにかけて何も見ていなかったりするので油断できない。彼の天然ボケは単発高火力である。

カザンがあんな事になってしまったので、ヒカリの作る血の流れない世の中で一人でも多く明日を望むようになれば、と思う。

 

・エクストラストーリー

各キャラクターのストーリーで仄めかされていた“夜”や“暗黒”、月影教といった数々の伏線が回収される怒涛の展開、そして“明日”を生きるために邪神ヴィーデに立ち向かう主人公たち…と非常にアツい展開である。

最初にフレイムチャーチに赴いてアルカネット戦を終えた後、聖火ギミックに気付かずそのままトト・ハハに向かった所で聖火を初めて灯し、落日の遺跡へと向かった。

 

 

…ところで、(これを読んでいるのは既プレイヤーであるという前提だが)皆様はこのゲームにおける、いわゆる“最推し”は誰だろうか。最初に選んだ主人公という人も居るかもしれないし、ストーリー進行や周回プレイをする中で色んなキャラクターの魅力に気付く事もあるだろう。そして、このゲームは主人公だけでなくNPC達も非常に魅力的であり、語るに語り切れないだろう。

妙な前置きをしてしまったが、私のこのゲームにおける最推しはオリである。ハンチング帽にポニーテール、新聞記者といった属性に加えて、彼女の無鉄砲で明るい性格が非常に好みで、出る度に可愛いと言い、露骨にテンションを上げていた。

 

 

話を戻して、落日の遺跡に向かった私は落ちている多くのアイテムを目にする。何だろう、と思い拾ってみると「手記の紙片01」。なるほど、こういうタイプか、早速読んでみようと思いボタンを押す。

 

 

ん?

デルスタタイムスの記者?とここで“死”を予感する。

 

 

 

あーーーーー!!!!!ああーーーーーーー!!!!!!

ここまで読んだところで、私は大きな悲鳴を上げた。いやいやいや、だってそんなまさか、あの天真爛漫で明るいオリちゃんが?明日を望まぬ者だったって事ですか?

ミントやタンジーは何かあることは薄々察していたし、カザンもその辺りからまあコイツかな…みたいな事は考えていたが、オリは本当に頭の片隅にすら入ってなかったので急に後ろから鈍器でブン殴られた形である。

精神に特大ダメージを負った。明るいキャラクターだなぁ、可愛いなぁと思っていた彼女の出自や、これまでの動向を見ていきながら深い悲しみに包まれていく。マジでもう心がズタボロだった。彼女の言動は全て嘘だったのだろうか。彼女はパルテティオを見て何を思ったのか…そんな事を考えながら、落日の遺跡を進んでいく。

 

 

 

 

何か!!!!温かいものが!!!!!!

マジで死ぬかと思った。いやもう大分死んでいるが…。縋るような、祈るような「もう少しだけ…もう少しだけ彼を追いかけてみよう。」の部分でかなり情緒が滅茶苦茶にされた。

 

 

 

 

情緒、完全破壊。

「出会わなければよかった」ってさあ!もうさあ!これオリ死んじゃったのかな…だとしたらもうマジで終わりだ…と思いながらパーティーチャットを開き、オリの生存が確認され、一安心…といったところで、更なる追撃が来る。

 

 

 

 

は?

パルテティオの項でウルトラ人誑しと彼を評したが、厳密には誤りである。そう、彼はウルトラ“無自覚”人誑し。これを見た瞬間、許せねぇ~~~~~~~~となった。一人の人生をよぉ!変えておいてよぉ!急に鈍感主人公みたいになりやがってよぉ!!は~~~~~~~~~許せん。いや、パルテティオの事は大好きだし良い兄ちゃんだと思うけどそれと同時に許せんという感情が湧き上がってくる。責任を取れパルテティオ。

 

 

 

…とまあ、これが私のオクトラⅡプレイ中、最も脳を破壊された瞬間である。スクショ撮るために見返していたらメンタル爆散したし。ここをプレイしている時は通話+画面配信中だったのだが、聖火イベント~パーティーチャットが終わるまでずっと無言で、次の目的地へ向かうためにマップを開いた所で思いっきり噴き出した。オリ関連はクリア後まで…というか現在も引き摺っており、定期的に思い返してはスリップダメージを受けている。何だったらオリからカザンや主人公たちに派生していって結果このゲームに滅茶苦茶沼った。私のオクトラⅡの多くはここに詰まっていると言っても過言ではない。

盛大に脱線…というかオタク語りをしたが、エクストラストーリーの話に戻る。

ヴィーデ戦、8人まとめての戦闘を想定していたので第一形態で前衛が吸収された時はしまったこっちか、となった。第二形態で8人まとめての戦闘になったので杞憂だったが。とにかく全体強化などが大味で楽しく、BGMも相まってアツいボス戦だった。

 

・総括

冒頭で述べたように、RPGやりたいな~から始めたゲームだったので完全に予想外の位置からストーリーでブン殴られた。ストーリーも面白いな、良い収穫だな、とか呑気な事を考えていたらオリに全てを破壊された。色々と思う所はあった筈なのに、オリ関連で大分吹き飛んでしまっている。今後無鉄砲で明るいキャラクターが出る度にオリを思い返してスリップダメージを受け続けるだろう。こうしてオクトパストラベラーⅡは私の人生に深く刻まれるゲームとなったのである。

 

・例のアイツ

さて、エクストラストーリーでオタク語りをしたがそれ以外にもこのゲームの思い出の多くを占めるものが存在する。もしかしたらクリア済みの人でも出会っていないかもしれないので心当たりがない方は読まない事をオススメする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オートセーブのデータを呼び起こしてスクショを取ったので、撃破時とは微妙に違っている

 

という訳で、オクトパストラベラーⅡの裏ボス、黒呪帝ガルデラ戦である。

ヴィーデが可愛く見えるレベルの強さを誇り、エピローグ前に一回喧嘩を吹っ掛けたがボコボコにされていくら何でも強すぎないか、という具合だったが、多くの試行錯誤や、画面配信を見ていた先駆者からテクニックや一部仕様を教えてもらうといったサポートを経て撃破した。せっかくなので戦術などを書き綴っていこうと思う。

撃破時パーティー。現在PTが眼球担当、控えPTがガルデラ担当。

・眼球戦

HP60000の亡者3種と、HP600000の眼球で構成されており、亡者を倒さないと眼球にダメージが通らず、亡者は弱点以外で攻撃すると手痛い反撃をしてくるおまけ付き。さらには眼球のターンが回ってくるまでに亡者を全滅させないと復活させてくるというギミックが基本となっている。その癖亡者たちは属防や物防に差があるので全体技で撃ち漏らす可能性も高いという性格の悪い仕様。さらにはスリップダメージやSP削りも打ってくる。質が悪い。

4つのフェーズに分かれており、それぞれで求められる動きが変化してくる。第一フェーズは上記ギミックのみ、第二フェーズは弱点が闇を除いた5属性に変化、さらには一個を除いて弱点がロックされており、ダメージを受けるとロックが一個ずつスライドしていくギミック、第三フェーズは亡者がそれぞれ2-4ターンの「戦闘不能」ではなく「消滅」する呪いを掛け、第四フェーズでは眼球が亡者を吸収、シールド値が増えて四回行動になるという流れ。第三フェーズ以降は眼球の無敵が消える。

二戦目のガルデラと比べるとギミックボス寄りであり、戦闘プランを組み立てれば楽に勝てる印象だった。以下パーティーと戦術紹介。

 

・オズバルド

基本的には獅子の舞やアイテムを使用したサポート役と、大魔法や杖を使った眼球のブレイク役。当初は彼の特大究極魔法をアタッカーとして据えていたが、エレメントウィークやエレメントヴェールがかなり痛手だったのでサポートに転向。オーシュットが撃ち漏らした時には大究極魔法を放ち、火力の後押しをしていた。

役割上そこそこ余裕が生まれがちなので、そういう時はテメノスに舞踏姫シルティージの囁きをかけて超過回復の祈りを全体化させるなどしていた。ちなみに、戦術を組む段階のリサーチでは彼の調べるが眼球・ガルデラ戦ともに多いに役立った。本戦闘での一番の功績とも言えるかもしれない。

 

・パルテティオ

傭兵呼びによる亡者および眼球のブレイク役とフクロウによるデバフ役。最終的には使わなかったが、盗公子エベルの鉤爪による亡者削りをすることもあった。ダメージ限界突破はその名残。ふんばるもほとんど要らなかった。

眼球戦はとにかく傭兵呼びに頼っている部分があり、そういう意味では彼は必須だったと言える。ストーリー中は安いものしか使って来なかったため、ここに来て傭兵呼びの真の強さを知る事になる。

 

・テメノス

超過回復の祈りによるオーシュットの満身の力+戦線の維持、聖火神エルフリックの祝福による火力補強がメインだった。魔法強化プラスはブレイクや火力の後押しとしてオズバルドに碩学アレファンの叡智をかけるつもりで付けていたが…忙し過ぎてそれどころではなかった。素直に強化ターン数増加とかで良かった。

眼球戦における満身の力はスリップダメージが手痛いので、超過回復の祈りはかなり役立った。全体化+最大ブーストの超過回復の祈りを打った日にはもうウハウハ。第四フェーズ時には底力属性の乱れで一気にシールドを削るといった役割も担っており、オズバルドと共に調べるをしていたのもあって眼球戦の過労死枠と言っても過言ではない。

 

・オーシュット


獣の咆哮やみんなでけしかけるでシールド削りを補助し、あとはひたすらブン殴る、分かりやすいアタッカー。狩王女ドレファンドの閃弓で亡者を倒し、雷剣将ブランドの剛剣で眼球を削る。

獣の咆哮が本当に便利で、亡者たちのシールド削りとデバフを全て同時にやってのけている。ぶっちゃけエベルの方が火力は出るのだが、せっかくだしオーシュットのベースジョブ奥義使いたいとか、なんやかんやで雷剣将ブランドの剛剣に思い入れがあるとか、バトルジョブは被りが無いようにしたいとか、微妙な拘りによるものがある。あと配信を見ていた友人が剣士オーシュットが好きだと言っていたため。

…それはそれとして、みんなでけしかけるは本当に異常な技だと感じている。

 

・戦術

オーシュットの獣の咆哮でシールドを1削りつつデバフを撒いてからパルテティオの最大ブースト傭兵呼び:獣人で亡者をブレイク。オズバルドやテメノスで超過回復の祈りや獅子の舞などの各種支援をかけてドレファンド+αで一掃した後、パルテティオのフクロウで眼球にデバフをかけ、ブレイクしたらブランドで削る、を基本として動いている。というかほぼ全部コレで片付く。第三フェーズは規定ターンまでに確実に削り切りたいのでついでに眼球をブレイクして動きを封じるとか、第四フェーズは一回のブレイクで倒せるようにエルフリックを忘れないようにするとかそのくらいである。

とにもかくにも亡者や四回行動の眼球を動かさないようにしていれば死ぬ事は少ない筈。低レベル帯ならふんばるがあるし。前述したようにギミック中心のボスなので、その辺をどうにかできれば割とパターンゲーである。ギミック中心は面倒であると同時に対策が立てやすくもある。

 

 

・ガルデラ戦

本体に加えて強力な物理攻撃を振るう呪眼の大剣、魔法攻撃を仕掛ける黒き兜、各種妨害をバラ撒いてくる地を分かつ腕の三部位があり、本体以外の三部位を撃破する前半戦と本体戦の後半戦に分かれている。三部位も勿論強力ではあるが、それ以上に凄まじいのが後半戦の苛烈な攻撃とシールド値のリジェネ。ギミックで翻弄してくる眼球に対し、ガルデラは強力な攻撃をひたすらぶつけてくるパワータイプである。

そんな訳で早期にブレイクして動きを封じて一気に畳みかけるのが丸そうではある。三部位のHPは160000と高めだが、本体は250000と案外低めなので何とかはなる。開発の温情だろうか。以下パーティーと戦術紹介。

 

・ヒカリ

分かりやすいアタッカー。役割としてはひたすらに獅子狩りを振り回す。以上。最終的には覚えた技をほとんど使わなくなった。獅子狩りを連続で振り回すため、SP枯渇を危惧して消費SP半減を付けている。

ヒカリの火力源には真・十文字斬りなどがあるが、ウェポンマスターが一番似合うはヒカリである、という理由で頑なに外さなかった。

前述したように分かりやすいダメージディーラーであるため、特筆するようなことはないが短期決戦で済ませられたのも偏に彼の超火力のおかげである。今までの彼の働きには感謝する他無い。

 

・ソローネ

前半戦はフクロウによるデバフと闇のとばりで呪眼の大剣の攻撃を封じる妨害役として立ち回り、後半戦は底力とブーストを併用した大幅なシールド削りとエルフリックによる火力増強を主としていた。

取っている戦術の関係上、呪眼の大剣を押さえつけられる闇のとばりは必須であり、さらにオーシュット無しでシールド20を削り取る必要があったため、底力を使った多段攻撃はかなり重要な役割だった。エルフリックやフクロウによる間接的な火力増強も大きい。キャスティやアグネアもそうだが、死ぬとかなり困るので装備やサポアビを耐久寄りにしている。

 

・キャスティ

基本的には回復調合による戦線維持+BP回復を乱用しまくり、余裕が出た時や後半戦のブレイク後にブースト傭兵呼びを叩きこむ役割だった。増強剤+拡散剤+ザクロの葉によるBP回復が本当に強力であり、彼女無しでは戦線維持は難しかったかもしれない。なんだか物理防御が凄い事になっているが、物理攻撃は大抵闇のとばりでスカる。

異邦の暗殺者*4が結構な火力源となっており、メイン火力はヒカリだったとはいえダメージ稼ぎに貢献していた。やっぱこのゲームの商人は滅茶苦茶強い。金さえあればの話だが。

 

・アグネア

獅子の舞によるヒカリへのバフと発明家アビリティによる各種サポート、シルティージによるヒカリの攻撃全体化の役割を担っていた。発明家のアビリティはどれも強力なものが多く、それを底力で全体化できるのは相当強力だった。またシルティージによる獅子狩りの全体化も非常に強力であり、火力でゴリ押せたのはこの全体化による恩恵が大きい。発明家、かなり強い上に独特な性能なので隠しジョブ感があって良い。

 

 

・戦術

まずはキャスティの回復調合による全体BPでスタートダッシュし、闇のとばりで呪眼の大剣の攻撃を封じながらこれまたキャスティの回復調合で戦線維持を行う。その横で獅子の舞とシルティージをヒカリにかけてひたすら獅子狩りを振り回すと斧弱点ではない呪眼の大剣のみが残る。ここからが重要なフェイズで、闇のとばりで耐久しつつエルフリックなどをヒカリにかけておいて前線を整え、丁度いい行動順になるまで呪眼の大剣を適当に生かしておく。キャスティが最後尾であれば何でもいい。さらに言えばヒカリとキャスティの間に誰か居ればなお良いか。キャスティが最後尾になったらヒカリの獅子狩りで呪眼の大剣を撃破、その後のキャスティの行動できまぐれの花+拡散剤で次ターンの自軍行動を最後尾にする。そうなるとガルデラの無敵解除がターンの最初に行われ、総攻撃を叩き込めるので一気にシールドを削りに行く。1ターンで難しそうならアグネアの風呼びの歌などで先制するなどで余裕を作る。ブレイクしたら獅子狩りを叩き込みまくって終了、という算段である。

実際の撃破時はアグネアがガルデラの前に来てしまってガルデラに何度か動かれたが再誕の杯などでなんとか持ち直しつつブレイク、そのままフィニッシュまで持ち込んだ。

調査と試行錯誤の繰り返しであり、移動中などもひたすらガルデラ戦の事を考えていた。こういうトライ&エラーはRPGというかゲーム全般の醍醐味であると思っているので、ガルデラ戦がオクトパストラベラーⅡで一番楽しい戦闘だった、と言える。

 

 

・まとめ

ストーリー、戦闘ともに非常に楽しめたゲームだった。結構軽い気持ちでこのゲームを始めたが、オリ関連やガルデラ戦など、終盤の辺りは精神的にも生活リズム的にも、生活を支配されていた。オクトパストラベラーⅡは私の記憶に残り続けるゲームになるだろう。

このゲームを開発したスタッフの皆様と、このゲームを勧め、クリア後には良質な二次創作を紹介してくれた私の友人に感謝を送りたいと思う。ありがとうございました。

 

 

 

ストーリークリア後のこれも教えてもらい、再び情緒が乱された。